大阪地方裁判所堺支部 昭和44年(ワ)187号 判決
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〔判決理由〕一 本位的請求原因につき
請求原因中、原告が被告に対し、原告主張の約定で本件土地を賃貸し、被告が同地上に本件建物を所有し、同土地を占有していること、原告が被告に対しその主張のとおり本件土地の賃料増額をしたこと、原告が被告に対しその主張のごとき解除条件付催告の意思表示をしたところ、被告が原告主張の賃料額を供託したことは、当事者間に争いがない。原告は、被告の供託した賃料額は明らかに借地法一二条二項にいう「相当と認むる地代」ではないから原告の本件賃貸借の解除は有効であると主張する。しかし、借地法一二条二項にいう「相当と認むる地代」とは、客観的な適正額ではなく、借主が自から相当と認める地代であると解されるので、原告の右主張は失当である。もつとも、原告は、予備的に、被告が本件地代についての鑑定の結果を了知したとき以降は、鑑定賃料に近似する金額を提供しない以上、遅滞に陥ると主張するが、被告が本件鑑定の結果を了知した以降においても、鑑定による地代額を極力争つていることは訴訟上明らかであつて、被告の内心が供託額を相当でないと思つていたと認めるに足る証拠は全くないから、原告の右主張もまた失当である。よつて、原告の本件賃貸借の解除は効力がないから、これが有効に解除されたことを前提とする原告の本位的請求はその余の点を判断するまでもなく理由がない。 (新月寛)